ゼルダの新作でるけどムジュラ

DSで出る新しいゼルダおもしろそう!
ファミ通とかCMで見た感じ、絵もけっこうキレイですし、内容もちょっとサブストーリー的で、ロクヨンの『時のオカリナ』に対する『ムジュラの仮面』みたいで期待もてます。
おもしろかったですからね。ムジュラは。

ゼルダの伝説 ~ムジュラの仮面~』って、物語と舞台を繰り返し続ける3日間に制限することで、どんなにリアルになってもキャラクターは決められた行動しかしないっていうゲームのジレンマを、擬似的に取り去ったゲームです。
登場人物にはほぼ全員、3日間それぞれちゃんと生活してて、例えば宿の看板娘だったら、朝8時に来る予約客の対応をして、夕方は厨房で料理、とかいった具合です。
で、プレイヤーが朝8時に予約客より早くチェックインしようとすると、看板娘はプレイヤーを予約客と勘違いして、宿に入れてくれて、それがきっかけでイベントが起こったりします。
それだけでも、入り込めて良い感じなんですけど、その3日間が隕石が落下するまでの3日間なのが、不気味な魅力を出してて、特に印象的ななのが、ポストマン。
郵便配達員なんですけど、仕事に忠実で、3日間ずっと町中のポストと配達先を巡回しています。で、隕石が間近に迫った3日目の夜に郵便局に行くと、ポストマンがうずくまっていて、話をきくと、隕石が落ちる日以降もスケジュールが入っていて、でも逃げないといけないし住人が逃げたあとの町に配達は必要ないとわかってても、仕事を放り出せなくて葛藤している、と言います。
なんか、すごいなーと思います。命をとるかアイデンティティをとるか。
某大手家電メーカーでは、定年退職すると、間もなく亡くなってしまう人がけっこういたそうです。毎日仕事で、自分の存在に占める成分のほとんどが「仕事」になっていて、身の芯まで仕事が染み込んでるのに、退職で、それが一気にベリッ!と削げ落ちてしまって、すさまじい喪失感とか虚脱感におそわれるから、とかそんなんじゃないかなと思うんですけど、このポストマンにはそういうことを思い起こされます。
任天堂のゲームって、ふとこういうかなり痛切なピースを盛り込んでるのが見つかります。
まあ、それはそれで、他にもこういうシビアな状況のキャラクターがいて、それを助けたりするんですけど、ある3日間で助けても、次の3日間ではもとの状況に戻ってるわけで、今度別のことをしようとすれば、そっちは見過ごすことになる、っていう。
それに加えて、『ゼルダ』なので謎解きアクションあるわけです。
全体の完成度でいうと、メインのシリーズになる『時のオカリナ』のほうが上なんですけど、『ムジュラ』はもっと違った、深い魅力があって好きです。
今度DSで出る、『夢幻の砂時計』がどういうテイストになってるのかわからないですけど、デザインからして、『風のタクト』のサブ的なシリーズと思われるので、「ムジュラ」的な要素を期待してしまうんですね。