2012-01-01から1年間の記事一覧

分身さん行ってらっしゃい

だれかが書いた文章を読むことって、 一時的にそのだれかに成り変わることじゃないか。 ある特定の作家さんの小説を 集中的に読んでいるとき、 小説を読んでいない時のじぶんの思考が 小説の文体になってしまうことって わりとあるあるだと思う。 そりゃそう…

ひまなときはひまなものである

親友と呼べる相手って そう多くない。 というかそういう相手が ひとりもいないという場合も けっこうあると思う。 定義は難しいけど、 少なくとも出会ってから経過した 時間は関係ないと思う。 ぼくは幸せなことに親友と呼べる相手が ひとりいて、 しかし彼…

こちらから積極的に間合いを詰めて発動

最近ですね、 出張カフェというやつを始めました。 自宅でコーヒーを淹れるのじゃなく どこかに赴いてコーヒーを淹れるわけです。 その場で強力な 当たり判定を発生させながら 上昇する昇竜拳ではなく、 相手のふところにステップインしてから 上昇する咲桜…

そこに行きたかったから行った男

とある大学のラボに、男と、女。 「爆発ってなんだと思う?」 と男は言った。 「一瞬に大きなエネルギーが生まれること」 と女は答えた。 男は手元のスイッチを押した。 ピンポン、と電子音が鳴る。 「正解」 男はさっき押したスイッチの隣のスイッチを押し…

いや負けてないですよ?

ザ・グレート・フリー中です。 仕事さがし中。 先日、面接に行って来た。 大都会大阪の大都市ミナミの ど真ん中の 森羅万象卸問屋に居を構える ハイソサエティ・カフェのアルバイト。 新規オープンらしいけど、 系列店に属するバリスタ (珈琲淹れるのがかな…

珈琲再構築計画立志

願わくば珈琲でごはん食べたい。 別に、珈琲をおかずに米を食べたい というわけじゃない。 珈琲を供することで収入を得たい、 ということだ。 店を持ちたい。 というわけではない。 いや、持ちたいけど。 それはやりたいことっていうより、 そういうのが有れ…

喫茶ダブルドラゴン 第5話 前篇

正午過ぎ。喫茶ダブルドラゴンにはマスターの竜田隆一しか居ない。昼の光が窓から差し込むが、店の表には「CLOSE」の札がかかっていた。 ダブルドラゴンはいつも13時にオープンする。 開店準備を終えて、仕入れたばかりの珈琲豆で珈琲を淹れる。中煎…

きんきょうーほうこくー!

たまには普通のエントリを。 試みとして毎日2000文字小説というのを やってるんですが、 もう「毎日」の文字は有って無きが如しです。 あっ、「日々」にしようかな。 日々2000文字小説。 「毎日」だと、まるで、 一日も欠かさずに行わなければならな…

シューターの憂鬱 大庭サキ編 第2話

STG「マッスル☆みんち」をプレイするのは大庭サキというシューター。 ワンコインで次々とステージをクリアし、ほどなくラスボス戦に突入した。 対峙するのは自機であるチェーンソウを抱えた少女と、牛面人“アルニー・ゴールド知事”。 『合挽きショット!…

ホワイト・アウト・セッション

その小さなホルモン屋は、白い煙が充満していてもうホルモン屋なんだか何なんだかわからなくなっていた。 何人かが同時にホルモンを焼くとすぐにこうなる。 風呂に入っても丸1日は身体から匂いが消えない。 「でもうまいんすよね、ここのホルモン。ねっ、津…

みんなで食べよう恵方巻き

「準備はいいですか?」 壇上から呼びかけるのは、この場を取り仕切るパンツスーツの若い女――真希子。 目前にあつまった100人が、真剣な面もちでうなずいた。 町の公会堂である。 壇上にいるのは真希子と、同じくスーツを着た丸まると太った男――恵太。そ…

シューターの憂鬱 大庭サキ編 第1話

郊外にオープンした大型ショッピングモール――「クレスト」。 そこへ行けば全てが揃う、全ての娯楽がそこにある。 住民達の夢の国。 行きとどいたサービスと選りすぐりの専門店で、住人たちにスマートなライフスタイルを提案。仕事に家庭に、趣味に遊び。皆の…

ロケットパンチが撃てるだけ 第2話

俺の特技はロケットパンチ。 ロケットパンチは男の子の憧れ、正義の象徴である。 が―― ときどき俺の意思と関係なく、勝手に正義を執行するので困る。 「殺し屋サン、あたしをウッテ」 ショートカットの女が無感情に言う。 「マッテロ。今らくにシテやる――」 …

喫茶ダブルドラゴン 第4話

年代物のファブリックをモダンなセンスで配置した直方体の空間。真空管アンプから流れるジャズが、使いこまれた木の調度品に染み込んでいく。 町外れにあるその小さな喫茶店は「星屑珈琲店」という。 「お待たせしました」 白いシャツを着た若い男性がテーブ…

喫茶ダブルドラゴン 第3話

からからん―― 「開いてるぅ?」 ドアベルを鳴らして入って来たのは派手なハイヒールの女だった。ロング丈のダウンジャケットから覗く素脚のラインが印象的だった。 「今日はもう終いだ。“CLOSED”の文字が見えなかったのかよ」 喫茶店のマスター、竜田…

いちご大福

「先輩」 「はい、何でしょう」 後輩に対してつい敬語になってしまうのは、その後輩がめちゃめちゃ可愛い女の子だからである。小さい顔にきらきらした大きな目か魅力的。 別にその視線に特別な感情が込められてはいなくても、ただ見つめられるだけでどきどき…

「シューターの憂鬱」第四話が読めるのは(ry

【ニコニコ動画】【オリジナル小説】『シューターの憂鬱』第四話 オリジナル小説動画シリーズ、うpしました。 一年ぶりです。 いや正確には360日ぶりなので、 一年経ってないですね。 というか、一年前のことは、 まるで昨日のことのように思いだせるの…

訊いてみよう

明けたのか、新年? 暮れたのか、去年? 地球の自転も公転も平常運転だ。 ずっと平常。 しかしひとはニューイヤーで騒いでいる。 本当に何かが終わって何かが始まったのか? 始まったとされている当人に訊けば良い。 元旦さんに訊けば良い。 そうすれば何か…