打倒コミティアのお客様

先日24日に、絵とか文うまい人の寄り合いを
見に行ってきました。
『関西コミティア』というやつです。
端的に言うと、
既に出版されてる作品のパロディでない
オリジナル作品を扱った同人誌即売会
大半は全年齢向けの作品が出品されています。
《粉骨堂》というサイトの管理人・斉所さんが参加していて、
新作の漫画を出品してらっしゃるので
その作品を買いに行ったわけです。
買いに行くのは、斉所さんが、友達の友達だからではなく、
純粋に漫画がおもしろいからだと
言い添えておきます。
ネットではHPに遊びにいかせてもらったり
してますけどね。

以下コミティアの感想です。

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イベント会場に着いたら、
だいたいの時間は見本閲覧コーナーにいます。
そこで表紙やタイトルで気になった作品を
読みます。
当り前のことですが、
いつも見慣れてるプロの作品とは違うわけなので、
悪く言えばあらくて拙い、
良く言えば野性的なパワーに満ちてる
っていうようなのがほとんどです。
そういう自分の現状の実力なんか
関係なく思いっきり表現してるの見ると、
本当に、自分も何か作品つくりたいなーってなります。
決して、これならぼくにもできそうだと思ってしまう
とかじゃないです。
でも、去年の『コミティア』の記事にも書きましたが、
漫画やイラストならまだしも、小説をここで売るのって
相当むずかしそうですね。
プロの小説ならまだしも、
ここにあるのは素人の作品だから、
冒頭おもしろくなくても読み進めていくうちに
おもしろくなるだろう、っていう期待ができない。
その期待がなければ、冒頭がおもしろくなくても
読み進めようという気にならない。
むずかしいですよね。
小説の同人誌に目を留めても
すぐに興味を失うパターンとして考えられるのは、

1.表紙の絵に魅かれない
2.いい表紙だけど漫画だと思って開いたら小説だった
3.数行読んでつまらなかった
4.フォントや文字組みが気になって内容が入ってこない

とかでしょうか。
まず「1」をクリアしても「2」の
「漫画だと思ったら中身が小説でガッカリ」っていうのがあるから、
表紙の段階で中身が小説だとわからないといけないですね。
そしたらどこかに「○○小説集」とか表記すれば、
「2」もクリアできるわけですが、
「2」をクリアしても今度は
「1」でクリアしたことが問題になる。
たぶん『コミティア』の客層は漫画・イラストを求めてるのが
大半だから、
表紙は漫画的なタッチのキャラ絵か、
絵師絵(ウェブでイラスト描いてる人の絵っぽい絵)がベストだと
思われるわけですけど、
表紙の絵を読者が気に入ったから、
中身は小説ってわかってても
手にとって本文を見てくれたとして、
表紙の力で引き寄せた読者の興味が持続するのって、
せいぜい本文を10行くらい読む
っていうくらいだと思います。
ここで「3」の内容のクオリティが問われるわけですけど、
本当はキャラ絵・絵師絵や、漫画を読みたい人を
問答無用でつかむという難関を
冒頭数行でやらないといけないってことですよね。
スタートダッシュに関しては
ある意味プロ以上のパワーが必要かも。
とすると、素人のとれる手段は限られてきます。
エロとグロです。
これが最もインスタントで、最も効果的だと思う。
エロは性欲、グロは生存本能っていうように、
人の精神の根っこの部分にかかわるものなので、
うまくすりゃ、いけるぜ!
でも下手すると、狙いすぎって冷められるし、
そうじゃなくても、
興味ひくためにエロやグロから入って、
あとから本当に書きたい内容に切り替えるのが
難しいなあ。

まとめると、
表紙は、ギターやベースを持ったかわいい女子高生たちが
雨上がりに雲間から光の射す田園風景を歩いていて、
ちょっと離れた木陰には触手生物が隠れてるその遥か上空を
足の生えた戦闘機みたいなハンパな可変形態で飛行する
ロボットがいて、あと、なんだ、
巨乳ちゃんみたいに見える雲がいっこあって、
それか雲に銀河系アイドルの映像が投影されてたりして、
とかそんな絵で、
本文は一行目から
[その2匹の赤黒いヒルが折り重なって彼を――]だのいう
粘度の高い比喩から入ってみたりして、
例えじゃなくてホントにヒルでしたー!ずででっ!
とかいってちゃんと切り替えをしたりして、
なんだ、そういうことだろうが!

まあ、
なんかこう、『コミティア』で小説売るのって
ルービックキューブを解くようで
おもしろそうですね。
1面揃えても、他の面揃えにかかったら、
せっかく揃えた面がばらけてしまうけど、
そうならないようにするには・・・
とか。

まあそんな感じで、
作品つくってもどうやって買ってもらえばいいんだろう、
とか考えてました。
ひとさまに見せれるような小説、
書いたことないくせに。

目的だった《粉骨堂》の斉所さんの漫画も買いました。
ただ、この方とはウェブ上での面識しかなかったので、
この機会にお話しようと思ってたんですけど、
変に緊張して話しかけれなかった。
逆の立場だったら、なんにも緊張することないのに、
と思うとこですけど、
今回ちょっと自分の人見知りのレベルを甘くみてました。

まあこういう、苦手だけどやってわるいことはないとか、
苦手だけどやるべきだ、と思ったことをやるっていうのは、
すごく大事だけどすごく難しいですよね。
好きな娘に告白したり、飲食店とかでマナー悪い人を注意したり。
でも、考えたり思ったり感じたりしたことを実践できないようでは
自分の世界は一生広がらない。
ああー、今日もその、やろうと思ったことができなかった畜生ー、
ってことで、すごい悔しい。
悔しいので代わりに、
コミティア』の帰りに一見ではじめて入った喫茶店のマスターと
お話ししてみました。
よしっ、やればできるぜ!
でもマスターと喋っててフリーターですって言ったら説教されたぜ!