夢幻の都・東京

この春大学を卒業したバイト仲間ふたりの

卒業旅行に便乗するような感じで

我が町・大阪から、東京にいったんですけど、

いまだに東京という街が実在するのか

疑っている。

自転車で大阪から東進して、

同じ街があったら信じますが、

たぶんないだろう。

よく考えたら、

往路は夜行バスで、

ほとんど寝てた上に起きてても窓には

遮光カーテンしてあって外が見えない。

復路は新幹線だけど、

窓ちいさいじゃないですか。

まあ、

そういうこと言うのは野暮だと思う。

ディズニーランドという夢の国で、

日常の話をするもんじゃないのと同じこと。

東京けっこうがんばってる。

おう、雰囲気出してるじゃないか。

東京っぽい東京っぽい、すごいなあ。

というくらい楽しんだわけです。

日常とは別の空間にいるというワクワク感。

どこに行っても何かある。

名所と名所の間の道中も名所だ。

雷門に上野公園、皇居、築地魚河岸、アキバとか、

いろいろ行ったなあ。

いっしょに行動したふたりは

両者ともかなりの猛者だけど、

アキバのメイドカフェで顕在化している

1億2千万人分の

“メイド的なものを求める心”の集積生命体には

たじたじだった。

メイドの所業

しかしまあ

↑このとおり楽しんだ。

寝泊まりは東京に住む師匠のもとでさせていただいた。

師匠には忍の極意を授かった。

「師匠! ここから先に進むと見つかってしまいます」

「キミの持っている道具をもう一度確認してごらん」

「持ってるものなんて毒入りまんじゅうくらいしか……

 ハッ、そうか!」

「そうだ。いいぞ」

モンスター退治の極意も教わった。

「師匠! この手元で回す

 小さい円形の刃物では間合いが狭すぎます」

「落ち着くんだ。相手と距離をとってタメをつくってごらん」

「なるほど! ちからをためてこの武器を投げつければいいのか!」

「ようし。ではこれからその技を使うときは

『TOJOファイヤー!』と叫ぶんだぞ」

「え~」

ともあれ師匠はさすがだった。

ゲーム「天誅」と「VAN HELSING」で遊んだんだ。

手料理もごちそうだった。

東京在住の師匠と大阪組ぼくら3人でも

行動したけど、

そのとき楽しかったのは

郊外のちいさい中華屋に4人で入り

メシ食べながら置いてあったジャンプを

回し読みしたことか。

ハンター×ハンターはみんな大好き。

いろんなとこ歩きまわって疲れたましたが、

日常をわすれていろんなスポットを巡る時間は

すばらしい。

ずっとこうしていた。

でもそうもいかない。

おとこは仕事に生きなければならない。

それ以前にお金がない。

帰ろ。