こんな名前でもいいんだ!

いっつも困ることがある。

いっつも困るんだけど

いっつもちゃんと決めないと先に進めない。

RPGの主人公の名前なんですが、

自分で好きな名前をつけなければならない場合、

とても困る。

ディフォルトの名前が決まってないパターンの

主人公って

プレイヤーが自己投影しやすいように

キャラ付けが薄い。

だから、どんな名前をつけるかによって

プレイヤーと主人公との繋がりの強さが

変わってくる。

全然しっくり来ない名前を付けてしまった場合、

いまいち感情移入できないまま

物語を進めることになってしまう。

主人公はいわばそのゲームの窓口だ。

プレイヤーは主人公を通して

そのゲームの世界を疑似体験する。

その主人公の名前が

いまいちしっくり来てないと

いまいちその世界に入り込めず

いまいち仲間とも連帯感を感じられず

いまいちその世界を救おうってモチベーションもあがらず

いまいち魔王許すまじとならないので、

「世界の半分をやろう」と持ちかけられても

「いいの? くれくれ」

となってゲームオーバーになって、ああこのゲーム、

いまいちだったな、となる。

主人公の名前がしっくり来てないからである。

(※ドラクエⅠのラスボス竜王の妥協案に

 乗っかってしまうとゲームオーバーになります)

主人公の名前である。

奇抜なプリントのTシャツは

店で見たらイカす!と思うけど

買うとすぐ飽きて着なくなるのである。

いかにもなかっこいい名前は

つけるとあとで後悔する。

だからぼくはいつも、

無難に自分の名前を付けています。

シンゴなので、

シン、とか。

非常に無難である。

でも他に思いつかない。

でも自分の名前なので

とても感情移入できる。

かというとそうでもなかったりする。

主人公の名前に対してしっくり来てても、

その名前とそのゲームの世界観が

ずれてたらこれもまた

いまいち入り込めないのだ。

主人公が「シン」なのに

仲間がフランソワとか

アンジェラとか

オライオンとか

アシュレイとかだったら

ちょっと浮いてしまうわけである。

なのに主人公の風貌は

そんなに浮いていなかったりして、

それがかえってよけいに浮く。

ていうかファンタジー系のRPGでは

日本の名前はどうしても浮く。

でもこの問題を救済する措置が

施されたRPGがあった。

ゲームの冒頭で

主人公とヒロインが出会ったとき

ヒロインが

「ここいらじゃ見ない顔ね。

 あなた、名前は?」

と聞いてくる。

で、ネーミング画面になって名前を入力する。

「ふーん。

 ****っていうんだ」

とヒロインは言う。

そのあとの一言だ。

そのあとのヒロインの一言こそが

どうもファンタジー系RPGに

しっくりこない名前しか付けられない

者たちにとっての救済措置なのだ。

「うふふっ。ヘンな名前!」

これは良いアイデアだよなーと思うのです。

制作者がどういう意図で

このセリフを入れたかはわかりませんけど、

なかなか粋だと思う。

そしてこういう心遣いの見えるRPGは

良いRPGだ。

で、そのRPGって

なんていうRPGだっけ?

何が言いたかったかというと

そういうことです。

思いだせなくて

気持ちわるいということです。