ぐりぐり記

どこの馬の骨とも知れない輩の日記なんて
そもそも誰も興味ないっていう前提で考えたら、
せめて赤裸々であるべき、
っていうか、
出し惜しみせず、
他人の目をおそれず、
自分の心情とかぶちまけて、
それがたまたま読者にとって、
あるある! とか、
それなんかわかる、とか、
そういうのに触れてたら、
漠然としてて形のなかった感情の
言語化っていう、
カタルシスを伴う反応が起こるから、
そうなってやっと他人の日記に価値がでる、
っていう仮定にのっとって、
なんかいろいろ野暮の上塗りっていうくらいの
野暮ったさでぐりぐり書く日記です。
今日は。

      ◇

カフェバイトはじめて1ヶ月になります。
ここではコーヒーは豆を挽くところから
カップに注ぐまでの工程をなるべく手作業でやるので、
なかなかテクニックがいります。
1杯のホットコーヒーを入れるに当たっては、
豆を計って、フィルターに入れてドリッパーにセットして、
熱湯を少量垂らしてまず蒸らし、少し待ってから、
お湯を注いで、コーヒーが抽出されるまで待って、
ドリッパーに適量たまったら、
カップに注いでできあがり、という感じです。
だんだんコツつかめてきたんですが、
まだまだ安定しないので、
練習で入れては、先輩従業員や店長に飲んでもらいます。
なんか、ぼくのは、
しゅわっという炭酸的ひろがりが足らんのだって。
うまく行くとしゅわっとするらしい。
それは店長以外わからんらしいですけど。
もちろんぼくにもわからなくて、
ぼくが入れたコーヒーと
店長が見本として入れたコーヒーを
飲み比べて、
「どうや?」
と聞かれると、そりゃあ、
「確かに、なんとなく店長のが
豆の味よお出てる気します」
とか言いますけど、
他の若手従業員同士では、
「わからん」
「わからんよなあ」
と囁きあっています。
別に店長が威張って
「違いのわかるかっこいい俺」
というポーズをとってるだけとは思いませんけど、
ぼくみたいな新参奉公人にはようわかりませんわ。
という感じ。
やっぱりさすが店長、舌がよく肥えてらっしゃる。
ということなんでしょうか。
人間の体は実は全身が性感帯となり得るそうです。
ぼくにはその感覚はわかりません。
でも、そういうのは、使用していくことで、
というか継続して接触鍛錬することで、
徐々に感覚が鋭くなっていって、
気持ちよくなったりするそうです。
ふつうの人は大胸筋ぴくぴく動かせないですけど、
鍛えるとそこを意識的に動かせるようになる、
みたいなものでしょうか。
普段意識することがないと、
筋肉じゃなくてそれが神経とか感覚でも、
眠ってしまっていて、
でも鍛錬で起こすことができると。
そう考えると、人の体って、
けっこういろんな可能性あって
おもしろいですよね。
さっきの大胸筋の例みたいに、
動かせない部位を動かせるようになったり、
触れられても何も感じなかった部位が
快感の触媒になったりする。
たぶん、そういう肉体的なことだけじゃなくて、
精神的なことでも、同じことが言えるはずです。
例えば、霊体験。
わりとよく聞くジンクスとして、
ホラー映画を作ると、
製作中必ず関係者が奇妙な体験をする、
というもの。
この類のは映画だけじゃなくて、
ホラーゲーム、ホラー小説とかにも
当てはまるらしい。
これってつまり、まあ持論ですけど、
ホラー系の作品を作るに当たって、
恐怖とか霊とかのことを凄く強く意識する環境に
置かれるわけだから、
実は普段から周囲にあった霊的な要因に
ただ気付きやすくなっただけと違うか、と。
あるじゃないですか、
服とか買うと、
他人の服みて
「あ。あそこで売ってた服だ」
「あれはあのブランドのだ」
「げっ、あれと同じの持ってる」
とかすごく意識してしまう感じ。
だからぼくも、
これからたくさんコーヒー入れて、
舌に意識を集中させながら
たくさんコーヒー飲んで、
ってしてるうちに、
感覚が研ぎ澄まされていって、
違いがわかるようになっていくでしょう。

      ◇

今日はバイトは夕方で終わって、
そこはショッピングモール内の店で、
今そこはバーゲン中なので、
そのまま服しばきに行きました。
最近、金欠金欠っていって、
ぜんぜん服買ってなかったし、
でもTシャツはたくさん持ってるので、
新しくて、持ってるTシャツらに
新たな可能性を与え得る、
フロンティアスピリット旺盛な
パンツが欲しいと思いまして。
でもバイト終わりでおなかすいてたので、
フードコートのうどん屋で、
うどんを食べます。
トッピング無しの麺とだしだけなら
280円とお安いので。
でも単位値段あたりの栄養価なら、
隣の店の牛丼(380円)のが高いし・・・
とか思いましたが、
栄養は家帰ってから卵ゆでればいいので、
うどんで。
天気いいからか、お客さんが多く、
列ができてました。
でも順番を待つ間、
前の人が天ぷらとかかき揚げとか
トッピングしてるのみてると、
だんだん惨めになってきました。
人生に勝負は絶対に必要だと思うんですが、
某恋愛科学研究所の人曰く、
人間、とくに男性は、
あらゆる行動をするためのエネルギーを得るためには
どんなに小さくとも
「勝利」を感じることが必要不可欠らしいです。
要は何かしら「よっしゃ」となること。
ぼくは、バイトで接客したときの感じで、
あえて堂々と、
「ざるうどん、トッピングなしで」
と注文しましたが、
別に「よっしゃ」とはならなかった。
むしろ、
うどん屋のおっちゃんに、
「だしにネギは入れますか?」
って聞かれて
「それは代金かかるんですか?」
と聞く惨めさを味わいました。

服屋はそのあと回りました。
現行の濃紺のデニムに変わる新たな風として、
ベージュやグレーのチノパン、
ずた袋みたいな
ナチュラルな風合いのイージーパンツ、
といろいろ悩んで、
イメージが熟成して
発酵して、
こういうの買いました。
真っ青なペンキ屋みたいなデニム。
GWの青いジーンズ

      ◇

なんかいろいろ野暮の上塗りっていうくらいの
野暮ったさでぐりぐり日記を書くと、
ロードローラーでならしたみたいに
盛り上がりがない日記になるんですね。
二度とやるまい。