『ゆめにっき』



『ゆめにっき』というフリーゲームのプレイ動画です。
けっこう有名らしいですけど、
ぼくはつい数日前知りました。

ストーリーもない、
順序もない、
せりふもない、
目的もない、
ただ夢の世界を歩き回るだけのゲームです。
だからゲームというより、
芸術作品っていう評もあるみたいです。

その内容は、
はっきりいって正気の沙汰ではありません。
狂気そのものです。
こわい。
それはバイオレンスなこわさじゃなくて、
あんまりにも狂ってて得体が知れないっていう
不安からくる恐怖です。
どこか拙い、子どもの絵のようなグラフィックが
たくさん登場します。
顔や手足がついてて生き物ということは
わかるけど、異形そのもの。
目で見たものを描いたグラフィックじゃなくて、
その人が世界をどう見てるかみたいな、
その狂気が演出じゃなくて、
心の根っこから出てきた本物だという感じがするんです。
広大な夢の世界で、
次々と目にすることになる場所やイベントからは、
製作者の底なしの狂気とそのバリエーションに
ただただ驚嘆します。

でも、こわいって言っても、
ゲームの側に怖がらせようというような演出は
ほとんどなく、
理解できないものにさらされるプレイヤーが
不安を感じ、自発的に恐怖するっていうような
感じです。
だからこれをプレイするのは
娯楽的なスリルを楽しむタイプの欲求じゃなくて、
あぶない世界をいけないとわかっていても
覗きたくなる欲求に似ている気がします。
フリーゲームっていうことも、
この手の恐怖を成立させる一因ですね。

そんな狂気そのもののようなゲームなのに、
ものすごく作りこまれてます。
細かい部分までこだわって作られてるっていうのが
見ていて伝わってくる。
娯楽としてはかなり破綻してるけど、
ゲームとしてのフォーマットはすごく
ちゃんとしてます。
誰も気付かないかもしれないのに
凝ったイベントも多数。
だから、狂気に説得力があります。
あー、ちゃんと本当にあぶないな、
と思える。

プレイ動画を見てて、
こんなゲームが現実に存在するっていうのが
信じられませんでした。
本当に悪夢みたいな、脈絡も実体もない雰囲気が
するからです。
でもネットで検索したら
この『ゆめにっき』は簡単にダウンロードできました。
今プレイ中です。
どっぷりハマッてます。
こんなストーリーも目的も何にもないのに
なんでこんなに中毒性があるんだろう。
ぼくはこのゲーム大好きです。