4分間のピアニスト

最近DVD借りて観た映画。

≡あらすじ≡
殺人罪で刑務所に入れられている少女ジェニーには
天才的なピアニストで、
賛美歌か何かの授業でオルガン演奏のために来た
ピアノ教師トラウデがその才能に気付いて、
ジェニーを生徒として刑務所で
ピアノレッスンをはじめるけど、
ジェニーはかなりの問題児でまわりの
やっかみもすごくて、
いろいろ悶着あってジェニーは最後の
4分間だけやっと本気だすって映画。

この映画は序盤からずっとおもしろくなかったです。
雰囲気くらいしじめじめしてるし、
普通こういう音楽もので先生と生徒ものっていったら
途中にも見せ場となるような演奏シーンがあったりするんですけど
それもほとんどなくて、
あっても静かな曲だったり、
派手そうな曲をジェニーが弾こうとすると
トラウデ先生が「低俗な音楽!」ってビンタして止めるし、
ああ、この映画でいう天才的な演奏って、
素人には分からない静かだけど1音1音に
高い技術力表現力が込められている
みたいな感じのことかと思って、
最後にあるだろう演奏も
ふつうにうまいだけの演奏だろうか、
あーDVDのチョイス失敗したなあーって
思いながら観てました。
で最後、タイトル通りの、
コンクールでの4分間の演奏シーンがあるんですけど、
ここでこの映画に対する印象が変わるわけです。
やられた! と思いました。
この映画の本編時間110分の内、
106分はこの4分間の演奏のための
開演待ち時間にすぎなかったのかって。
だから106分のつまらなくて、
途中盛り上がる演奏シーンないのも、
美男美女がとくにいなくて他に楽しみようないのも、
これはずっとこんな感じの退屈な映画なんだなって
観客が思うことも、
全て最後みんなの度肝を抜くための
監督の目論見だったのかと思いました。
主人公のジェニーは
天才ピアニストっていうことになってるのに、
作中一切その片鱗をみせてなくて、
最後の最後の短い時間だけ、本性を現し、
演奏を終えて一礼、
顔をあげたとき画面がストップして
暗転しエンドクレジットが流れ出したとき
ビクビクーッとなりました。
なんて贅沢で、エンタメとして挑戦的な映画だろうか。
人にすすめにくいよ。