珈琲である

大阪の南森町にある
「喫茶 星霜」っていうカフェにいってきました。
雑誌にも載ってる有名店。
ものすごく洒落た店です。
看板らしい看板はなく、
白い外壁にA4くらいの板が貼ってあって
そこに小さく店名が縦書きの明朝体で入っている。
なんか「手紙」っていう本の表紙みたい。
知らないですけど。
真鍮のノブのついたドアを開けると、
ふたり掛けのテーブル5つほど置いてる小さな空間で、
白い壁、オレンジの電球、年季の入った板張りの床、
と、とてもムードが有ります。
店主が持ってきてくださったメニューも、
よわい紙に印字のみというシンプルさで、
数枚をノスタルジックにさびたクリップではさんでいるという、
ムード感。
よわい紙はムードがある。かたい肉塊にはムードはない。
木の机に置いたぼくのカバンと、
たのんだホットコーヒーが並ぶだけで絵になるのは、
照明やらインテリアとかの妙でしょう。
何置いても絵になりそうです。
コーヒーのかたわらに「桃魂ユーマ」(※)とか置いても、
たぶん雑誌の写真で使えそうなくらい絵になる。
ホットコーヒーは1杯450円(おかわり200円)。
星霜ブレンドというオリジナルの配合の豆を
その場で挽いていれてくれるわけですけど、
ぼくはこの星霜ブレンドを飲んで、
コーヒーをはじめておいしいと思ったかもしれない。
カフェのバイトやってるのに。
ブラックで飲んだのですが、
苦さと甘さのバランスがよく、
コーヒー苦手な人が嫌がるまずい苦味・酸味が一切なくて、
純粋にコーヒーの味しかしないです。
それだけなら多分ぼくでも
店でできてると思うんですけど、
ひとくち口に含んで、嚥下して1分くらい経ってから、
かすかに花のような匂いがふわっと現れたときは
ちょっと感動しました。
口の中でコーヒー豆の香りと味がして、
飲み込んでからまた別の香りというか
このコーヒーの最初に嗅いだ匂いの
もうひとつ奥にあった香りが
あとから出てくる。
これはやられた。
「スト?」のダッドリー
EXマシンガンアッパー仕込み強Kみたいな。
いや、ほんとうに、それとはぜんぜん違いますけど。
これはお勘定のときにでも、
店主に賛辞を呈しなければならない。
そう思ってから、何て言おうかと妙に緊張して、
落ち着けなくなりました。くつろぎにきてるのに。
結局「ごちそう様です」とだけ言って店出ましたし。
まあ、こんど豆買おっと。

※桃魂ユーマ・・・
範馬刃牙」でおなじみ板垣組の、
構成員のひとりが描いた
萌え系コスプレ格闘マンガ。
内容以上にはちゃめちゃなデッサン力が話題に。