ロングライド:Lv1 大阪~兵庫 90km

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8月のおわりごろ、ロードバイクで実家に帰ってきました。
一応それがロード入手してからの第一の目標だったので。
ちなみに最終目標は、
「自転車に乗る」という概念に、
必ずしも自転車が必要ではないという域に達することです。
さて、行程ですが、
マップの通り、現在在住の大阪市から、
兵庫県加古川市にある実家への約90kmです。
往復で180km。
まったくの未知の距離に戦々恐々です。
ポイントからポイントへの距離と所要時間、
消費カロリーが調べられる「キョリ測」というサイトがあるのですが、
それで調べたら片道90kmの消費カロリーが
2300キロカロリーだって。
あんパン約13個分。
補給怠ったらやばいと思います。
水分とエネルギーの補給は最重要ですね。

当日は朝7時半に起きました。
向こう着くまでの推定所要時間が約4時間なので、
日が昇り切る前に到着しようという寸法です。
起きて朝食を多めに食べたあとは、
出発の準備です。
レーシングウェア&レーシングパンツに着替え、
バックパックは準備できなかったので、
荷物の収納は、ウェアの背面にある大きな3つのポケットと、
容量約1リットルのサドルバッグのみで、
それらに携行品をすべて詰め込みます。
TOPEAK エアロウェッジパックM
サドルバッグ《TOPEAK エアロウェッジパックM》

内訳は、
ウェアポケット1:ウィダーインゼリー(エネルギーイン)[180キロカロリー]
ウェアポケット2:財布、携帯電話
ウェアポケット3:アミノバイタル・ゼリードリンク(マルチエネルギー)
         [160キロカロリー]
サドルバッグ:スペアチューブ、タイヤレバー、携帯工具、ワイヤーキー、
       アパートの鍵、日焼け止めクリーム
以上です。
エネルギー采配としては、
多めに摂った朝食で前半45km走行してしまって、
その地点でゼリーを一つ消費。
もう20km程度走って残りの一つも消費、
実家までがんばる、
っていう感じです。
出発前から危惧している問題としては、
2つの用意したゼリードリンクのうち、
アミノバイタルの方はヨーグルト味っていうことなんですねえ。
炎天下で温まったヨーグルト味のゼリーって
く○不味いのではってことです。
先にいいますが、○ろ不味かったです。
あとは、アクエリアスを満載にしたボトルを
フレームのボトルケージにセットして出発です。

あとは基本的にずっと、ひたすら走ってるだけなので、
以下、写真で。

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武庫川
出発から約20km、大阪と兵庫県尼崎市との境、武庫川

西宮だったとおもう
もう10kmくらいいったとこの、西宮駅前。
駅周辺には県屈指の高層マンションが密集してて、
昔は未来都市かってくらい畏怖してました。

三宮の公園
40km地点。道路脇の団地の公園で休憩。
ここでひとつ目のゼリーでエネルギー補給。
そういえば、ここのちょっと前に
アクエリアスの補充のために立ち寄ったコンビニで、
「どこから乗ってるんですか?」
「お気をつけてがんばってくださーい」
と、女性の店員さんたちが声をかけてくれました。
うれしいもんです。
なんか、あれですかね。
こう、声をかけてくれるのって、
別に自転車にことさら思い入れを持ってるわけじゃない(と思う)
そのコンビニの店員さんたちでも、
自転車みたいな普段近所の移動や買い物でしか使わない乗り物で
それから比べれば途方もない距離を走るっていうことに
一種のリスペクトというか、「アンタ、やるじゃん」感を
抱いているんでしょうかね。
みんな、実は、「自分のちからで、どこにでも、遠くまで」っていう
リスクもあるけどその分の自由みたいなものに対する、なんか、
願望があるのかもしれないですネ。(にちゃぁ)
(↑知った風な、気持ち悪い笑顔の音)

神戸
神戸です。写真奥のお城っぽい尖塔のある建物は
中にあるベッドが回らない方の洋館です。

須磨にさしかかる
ずっと走ってる国道は、
須磨あたりで海が見える位置を通るので、
このあたりが一番気持ちよかったです。
しかし天気が良い。
この日は空気もからっとしていて、
8月で一番のサイクリング日よりでした。

明石海峡大橋
やってきました。日本が誇る世界の大橋、明石海峡大橋
あとでロングライドの話をバイト先でしたときに、
相手の男から聞いたんですけど、
この橋を建設してるとき、設計図と実際の寸法に
ずれが生じたそうで、
その原因は、設計の段階で地球の丸みを計算に入れてなかったから、
だって。
すごいね、長いね、橋! という話です。

大橋は基部がイカス
この橋の最寄りの駅が以前通ってた大学への通り道だったので、
たまーに降りて橋のたもとを散歩したりしてたのですが、
橋よりまず、それを陸で支える土台の迫力にやられます。
平らでシンプルな形で、巨大なのがイカしてます。

真下からの大橋
橋の真下から。
ここに来た時は毎回このアングルの写真とってます。
大学の写真の課題でもほぼ同じ写真を提出した。

舞子公園だったっけ、の方
このときは休憩がてら散歩しています。
橋の周りには資料館や公園、土産物屋とかあります。

広いスペース
橋の土台・西側。スペースです。
写真奥にうっすら見える陸地は、位置的に明石市かな。



橋の周りを散歩して、体力も少し回復したし、
さあ、実家まであと3分の1だ! と再出発して、
1kmくらい走ったところで、
左手の路地から急に飛び出してきたクルマに激突、
落車しました。
30km/hくらいでぶつかりましたから、
体感的には数メートルは体がふっとんだ感じで、
アスファルトに左腕と左足・腰を打ちつけました。
頭は打たずにすんで、意識ははっきりしてるものの、
突然のことに半ば混乱してて、
ぶつかったクルマが停まって
中からおっちゃんが出てきて、
「すみません、大丈夫ですか? 怪我はありませんか?」
と聞かれたんですけど、
「いや、大丈夫です。こっちこそすいません。
そちらこそ大丈夫ですか?」
とか素っ頓狂なことしか言えませんでした。
で、お互い謝りあって、それでおしまい。
今考えたら、こっちは怪我してるし、
ロードバイク壊れてるかもしれないわけですから、
警察呼んで、事故証明とって、
なんらかの保障をあれしたりとか、
もっと適切な行動があったと思うんですけど、
そこは、あの、過去の営業マン時代の名残で、
事故→手続きとかめんどくせえ→アポの時間に遅れる
=その場で示談でいいじゃん!
という、公式にのっとって、
今回もある種条件反射的に謝って、
それだけで終わらせちゃったのでした。
で、まあ、怪我といっても擦り傷でしたし、
自転車もぱっと見、無事なようだったので、
止まっててもしゃあない、と走りだしたら、
チェーンはずれてました。
ここでようやく、あの飛び出してきたクルマの運転手に対して
ケロイドというか憎悪がわいてきました。
このときすごい焦ってます。
“チェーンなんて直したことないぞ……”
“大事なロードが!”
“保険、自転車の保険とか入っとけば……”
“あの野郎!”
とか。
ともあれ、素手でチェーンを引っ張って、
ギアに噛ませて、クランク回して、
はずれたチェーンをなんとか元に戻すことができました。
でも、手がオイルで真っ黒。
こんな手でハンドル持ちたくない。
まあしゃあないので、
指先を怪我したときに
傷をかばいながら風呂で頭洗う感覚で
ハンドルつまんで走行して、
運よくすぐ近くにあったプロショップに入って、
自転車の点検してもらって、
ついでにディクリーザーという専用の油落としを
染み込ませたティッシュを
「手が真っ黒じゃねえか、これで拭きな」
と渡されて、手はきれいになりました。
自転車は幸い故障はない様子でした。
といっても、あとでちゃんと見たら、
人間でいうところの右足のくるぶしが歪んでましたというか、
フレームの前輪の軸を受け止める部分(フォークの先端)の、
外側に出てるネジ(クイックレリーズの右側)が完全に折れてました。
まあ問題なく走れてるので、
修理はここじゃなくて買ったお店でやったほうがいいよ、
ということだったのでしょう。
あと、落車で自転車が倒れたときにハンドルやサドルの
横もけっこうズリズリと擦り傷いってました。
まあ公道走る乗り物なんだからこういうこともあるわなあ、
これも勲章だわ、
と思いつつというか思おうとしつつ、かなり凹みました。
フレーム本体には傷一つなかったのが不幸中の幸いです。
ともあれ店主にお礼を言って店を出てから、
コンビニでマキロンを買って
怪我の応急処置しました。
マキロンのお世話になるのは小学生以来です。
10何年ごしにマキロンに感謝することになるとは。



明石らしさは写ってないですがたぶん明石駅
明石駅です。ここで行程の4分の3くらいでしょうか。
自転車ちゃんと走れてます。

古巣の橋
ついに、実家のある加古川市の川。
電車や高速道路と違い、自転車は地続き感が違う。
ちゃんと街と街はシームレスになってるんだっていう。
大阪と加古川は、別の街、別のエリア、って感覚が、
電車とかの行き来だとあるけど、自転車で来ると、
どちらも合わせて一個の大きなエリアなんだ、やあ!(挨拶)
って感じがします。

加古川の雰囲気
実家に到着したときには、出発から6時間が経過してました。
予定では平均時速20kmで4時間で着くはずだったんですけど、
まあ休憩したり事故ったり信号待ちしたりあったので。
家に着いたら家族の出迎え。
道中、心配だから今どの辺かメール送ってね、ってことで、
駅通る度くらいでメールしてました。
ひとり旅だと、その返事のメールがけっこうエネルギーになりました。
いやー、しかし実家落ち着く。
居間で用意してくれてた昼ごはんを食べながら、
窓からはすだれを通してほどよい光と風が入って来て、
蝉の鳴き声や、子どもの遊ぶ声が聞こえる。
この感覚は、けっこうしんどかった営業のころに、
たまに帰省したときに気持ちに似てるなあ。
疲労のせいか、なにか飢えてて、
こういう平穏がスポンジのようにぐんぐん染みる。
仕事じゃなくて趣味による疲労で
この心地よさが味わるって得です。
あるいは、昼ごはんの、
手羽先、手羽先のからあげうめえ!
デザートのぶどうを食べる手が止まらない!
ということなのかもしれません知らん。



姫路市立美術館
2連休取ってたので、一泊してから、
翌朝、かねてから観たかった
オディロン・ルドン展』を観に、姫路まで行ってきました。
実家から姫路は電車で15分。これは電車で行った。
人力ちょっとお休み。ダイナモ万歳。
まあオディロン・ルドンと『ルドン展』については、またの機会に。

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正午には姫路から実家に戻って、
昼ごはんをたらふく食べ、
今度は大阪に向け、出発しました。
6時間かかるなら昼過ぎには出発しないと、
暗くなってしまうから、ちょっとあわただしい。
復路90km、自転車のネジいっこ折れてるけど、
落車してから実家までの30km普通に走れたから大丈夫でしょう。
自転車も問題なく走り、
事故みたいなイベントも起こらないまま、大阪にたどり着きました。

なにわの空
しかし大阪に入るころには、日も落ちかけてました。
まあ、明かりは多いからいいか、と夕暮れの街を走り、
完全に夜になったあたりでアパートに到着しました。

これでゴール。

しかしバイトの次の月の希望シフト未提出で
この日が期限日だったので、
息つく間もなくバイト先に向かって、
コーヒー飲みながら希望シフト考えることに。
あの、ただひたすらロードバイクで走ってたひとときと、
今の現実的な感覚のギャップがたまらん。
バイト先の人たちとついさっきまでの
ロングライドのこと喋ったりしました。
「走ってきたぜ」
「へえ、どこまでいってきたん?」
「ちょっと西の彼方、加古川までさ」
「ウゲゲェェーーーー!」
とはならず、
会話は5ラリーくらいで終りました。

あと、走ってるとき、あの往復12時間、
そういえばずっと何にも考えてなかった。
なんて非生産的なんだ! いいけど。
バイト先からアパートへの帰り、
定食屋に寄って豚しょうが焼定食を頼んで、
ごはん3杯おかわりしました。
疲れた体にたんぱく質と炭水化物が効きます。



《今回の反省点》
・公道を走る危険性を真剣に考えられてなかった。
・トラブル対策が不十分。軍手や絆創膏くらい持っとかんと。
・前日は早く寝る。起きたのは7時半ですが、寝たのは午前3時。
 運動だからクルマと違って眠くなったりはなかなかしないですけど
 集中力は落ちてしまう。
・文章をもっと短くする。誰が読むんだ。
 呼んだ人ありがとうございます。おわりです。