第3形態じゃなくて3人目の店長

バイト先の店長が変わりました。

別に、店長がうめき声とともに後頭部を突出させ

猫背になってひゃあひゃあ言うようになった

というわけではなくて、

今までの店長が異動して別の店長がくる。

新しく来るのは定年間際の女性店長で、

本社的にもかなり発言力のある人だそうだ。

バイト先のカフェは、チェーン展開している

各店舗の中でもけっこう重要な位置づけにある

店舗らしくて、

満を持してそのやり手店長、店長の中の店長、

いわば店長長がこのたびやってくるはこびに

なったそうです。

ウチ最近ちょっと売上芳しくなかったから

テコ入れってことみたいですね。

それでちょっとウチの店に軋轢が生じている。

長長が来て早々に行ったのは、

従業員との個人面談で、

各々の役割、能力、シフト入れる頻度、

優先順位やらを見るそうで、

ぼくの順番になる前に面談を行った

女性従業員などは、

けっこうプライベートにまで突っ込まれた

質問をされて憔悴していた。

「30代でフリーターで独身で……

 あんた何がしたいねんな」

とか。

まじか、気ぃきついなあ。

でぼくの面談の順番がまわってくる。

「バイトでひとり暮らしって、

 生活だいじょうぶなん?

 収入たりてる?

 もっとシフト優先的にいれよか?」

あれ? 長長やさしいじゃないか。

で、実際シフトが増えた。

先ほどのフリーターの女性従業員はシフト減った。

それからたまになんですけど、

彼女の言葉から

「あんたのせいでシフト減ったやないか……」

というニュアンスを感じることがあります。

まあ知ったことではない。

まわりのパートさんやらも

「シフトのことシンゴ君が気にすることちゃうで」

的なことを言ってくださるし。

民意は我にあり。

ただ問題は、

長長との面談の際、

「ぼくは現状に甘んじることなく

 次のステップを見据えて就活に邁進しています!

 おはようございます!」

みたいな、なあなあでフリーターやってないよ、

というような青年を演じたため

向こうに好感触を与えることができていたようであって、

それで向こうも

「そうかあ、立場的にはウチでがんばってほしいけど、

 若いもんな応援するわ。

 でもまず生活できるだけの収入はいるやろ。

 まかしとき!」

ってなってるみたいですが、

まあ就活は本当にしようと思ってますが、

実際にはぜんぜんやってないし

なかなか気持ちが入らないわけで、

だからぼくは応援されるからには

そんな実情を隠すのに腐心しないといけなくて、

あーあ、そっちが大変ですよ

というかさっさと就活すればいいじゃないか、

しよう、

明日から。