TPOをわきまえない見せブラを成立させる程度の説得力

先日タワレコで女の子に話しかけられた。

「音楽詳しいですか?」

それがきっかけでお喋りして、

その流れでメアド交換して、

今度お茶しましょうということになって、

お茶してきました。

我ながら殊勝だと思うのは、

待ち合わせしてた時間の90分前に

現地に前乗りして、

一応考えておいたおでかけコースを

シュミレートしておいたことです。

会ってすぐお茶する店と、

ぶらぶらしながら立ち寄る店と、

夜、軽く飲み食いするカフェバーとの

位置関係、移動距離を測ったりしたのでした。

で、待ち合わせ時間である。

めちゃくちゃ緊張する。

せっかくちゃんと

クリリンとピッコロと打ち合わせしたのに

いざナッパに攻撃というときになると

あわわ……となって何もできない

孫悟飯の気持ちがようやくわかりましたが、

まあ、あわわ……ではいけないわけで、

ちゃんとやらなきゃならない。

お会いしなければならない。

でも緊張をよそに、

会ってすぐにあちらが、

「ちょっと聴いてくださいよぉー」

って感じで言ってきたので割とすぐに

緊張は解けました。

向こうが緊張してない様子なのは助かる。

で、待ち合わせ場所のそばにある

カフェに入って喋った。

この時点でシュミレーションしておいたプランは

崩れているのである。

最初に行く予定だった店は

待ち合わせ場所から少し歩いた場所にあるのだ。

本来なら、

まず合流して、

「どうしましょうか?」

「いい喫茶店あるんで行ってみます?」

と提案して、

歩きながら、

「やあ、寒いですね」

「でも天気いいから気持ちいいですね」

「こういう日には柿を干しておいて、

 あとでほうじ茶のお茶受けにするのがいいですね」

などと言いながら、

「あっ、八百屋の陳列台で猫が寝てる、

 かわいいー(=^・^=)」

「あっ、本当ですね。かわいいー(=^・^=)」

「あっここです。着きましたよ。この喫茶店です」

「わあ、いい喫茶店!><」

「^^v」

となるはずだったのですが。

流れで近場のとこに収まったわけです。

まだ手探り状態なので、

流れに逆らってまで

プランを通す決断は、まあ無理です。

40分ほどお喋りしました。

なんとかさほど話題に詰まることなく

なごやかな空気を保てたのですが、

まあ、あとからあとから反省点が

浮かび上がってくるのは、

やっぱり緊張してて

自分らしくないキャラに

なってしまってたからでしょう。

彼女とちゃんと話するのはこのときが

初めてだから、

しゃちほこばって

つい自分を良く見せようとしてしまう。

そんな普段しないことしたって

結局自分の嫌いな部分が出てしまうだけなのに。

ぼくみたいな人間は、もっとこう、

見栄を張らずに、

自宅での仕事そっちのけで

飼い猫と遊んでるのを

お嫁さんに叱られて

彼女の手にした缶詰につられて

猫もそっちのほうに行ってしまって

「ちぇーっ」ってなって

「ふくれてたらあなたの好きな

 餅きんちゃく食べちゃうわよ」

「えーっ、今日おでん!? やったー!」

っていう状況に陥っていたいですとか

言ってりゃあ良かったのか悪かったのか

わかりませんが、

そのほうがよっぽど良かったはずじゃないのかなあ。

まあでも、音楽の趣味はけっこう合いそう。

ロードバイクにも興味あるみたい。

スポーツバイクの展示イベントに行ったり

したんだって。

それに、

ぼくの話にいちいち興味深げな相槌を打ってくれ、

共感をしめしてくれる。

いろんな質問をなげかけてくれる。

気を使ってくれてるのか、

話し慣れてるのか、

大人の余裕なのか(歳は向こうが少し上)。

ちゃんとしてるなあと思いました。

楽しかったかどうかはわからない。

そんな余裕なかった。

でもこういうのは刺激的で良いです。

それと、

今度彼女の友人達でやってる

オリジナル絵葉書を描く集まりがあるから

来ませんかと誘われた。

定期的にそういうことをやっているのだそうだ。

謎な展開だけど、

さらなる人間関係の広がりがありそうだし

とりあえず行きますと言っておいた。

で、そろそろ出ましょうか、となって、

待ち合わせ場所近くのカフェを出たら

お別れした。

駐輪してた自転車が撤去されてたから

罰金払いにいくそうだ。

仕方ないですね。

まあ持参したCDを貸すというやりかたで

次につなげましたし。

もちろんめちゃくちゃ不完全燃焼ではあります。

あれ? もうお別れ?? と思いました。

なので、プラン上で最初に行くはずだった

喫茶店にひとりで行き、コーヒー飲んだ。

コーヒーはとてもおいしかった。

思わず豆買いました。

ムードもいい。

住宅街の路地の一角にある隠れ家的な立地もいいし、

洒落ている。と思う。

コーヒー飲みながら、脳内反省会を開いた。

だがすぐに閉会したのは

町のちょっといい喫茶店的なこの店の

女性店員があまりにも

濃く、むせてしまいそうなほどの

フェロモンを発していたからである。

店の雰囲気に似つかわしくない、

とてもセクシーなアラフォー店員なのであった。

「おいしかったです」

「珈琲、よく飲まれるんですか?」

「ええ、まあ」

二、三言会話をしました。

えへへ ^^v

おわり。