最長老さまのとこに寄り道してたフリーザが戻って来た感じ

2年半続けてきたアルバイトを

今月いっぱいで、ぼくは辞める。

粉を台無しにするアルバイトである。

業務内容:粉を台無しにする

アルバイトである。

粉というのはふわふわなほうが良い。

水分たっぷりのベチャ雪よりも

やわらかいパウダースノーの方が良い。

お好み焼き粉も、

焼いたときふっくらするのが良い。

ホットケーキも。

粉は、

そのままならふわふわ、

加工するならふっくらするほうが良い。

でもぼくがやってたアルバイトは、

粉にお湯をぶっかけて、

放置するという業務だった。

お湯をぶっかけられた粉は

ただの土くれみたいになってしまう。

この業務で使う粉は一応、

豆をすりつぶしたものなので、

お湯をぶっかけられた粉から滴り落ちる、

粉を通過したお湯には味がついている。

味がついているお湯に値段をつけて、

客にだしている。

そういう仕事をしています。

でもそれもあと少し。

先日、送別会をしてもらった。

一緒に粉を台無しにしてきた仲間たちとの

楽しいひととき。

本当に楽しかった。

ぼくらはコードネームで呼び合っていた。

ハヤブサ、メガネトピア、銭湯使い etc...

皆が信頼しあい、苦楽を共にした。

たかがバイトの同僚だけど、

ぼくにはかけがえのない戦友たちだ。

いつも戦地で主にメンタルを負傷したぼくを

みんなで介抱してくれた。

あーー、

やめたくねえーー。

といっても最近、

しばらく休養してた恐帝が復活したので、

やめたくないなあーなんて言ってるのも

今だけだ。